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お手入れクリーニング

よくあるご質問

Q&A
着物の基本的なお手入れとは?
基本的には、下記の三つの手法があります。
実際には、お品物の状態により、単独、又は組み合わせて、お仕事させていただくことになります。

【しみぬき】しみ、汚れの部分的なお手入れ。

【丸洗い】お召し物を仕立てあがった状態のままで洗う全体的なお手入れ。
・有機溶剤を使用するドライクリーニング・・・デリケートな素材に適する。
・水を使用するウェット、水洗クリーニング・・・浴衣のように、水洗することを前提に作られた品物に限定される。

【洗い張り】縫いを解き、反物の状態に戻し、水洗をして湯のしをして仕上げる。
着物丸洗いドライクリーニングとは?
水で洗わずに、有機溶剤(油性)を使用し、油性の洗剤を添加して洗います。
油性の汚れ、着用時のすれ汚れなどにもっとも力を発揮します。
水溶性の汚れ(汗、飲み物など)や変色しているしみには、効果は期待できません。

着物丸洗いドライクリーニングですべての汚れ、しみが落ちてしまうわけではありませんが、染色、風合い、寸法変化などに影響が少なく、適切な管理の下で行えば、デリケートな衣料にもっとも適したクリーニングと言えます。

当店では、独自の和服に最適の洗浄システムを開発しております。
洗い張りとは?
ドライクリーニングによる丸洗いの技術が確立するまでは、和服といえば洗張りによるお手入れが一般的でした。
縫いを解き、それを端縫いして反物に戻し水洗をします。
水をくぐらせることで、糊や仕上げ剤を入れ替え、湯のし機で張り直し、本来の風合いを取り戻します。
寸法を変える、生地のすじ切れを防ぐために振り替えをするなど、お仕立てをともなう仕事の下準備としても行なわれます。

当店では、和服を知り尽くし、高度な技術に裏打ちされた、確かな仕上がりをお約束します。
しみぬきとは?
しみぬきは、生地の素材、染色、しみの種類・状態など、様々な条件により手法が異なりますが、概ね二種に分類できます。

1. 染色は損なわれていなくて、汚れが付着しただけのもの
付着物を濯ぎ出すことで、しみぬき後、基本的に作業部分に染料のはき合わせの必要はありません。

2. 汚れの付着により、染色がすでに損なわれているしみ
しみを取り去った後、色かけ補正が必要となります。

実際のしみぬきは、作業者の経験、技量、しみに対する考え方などにより、仕上がり状態は大きく変わります。
どんなベテランであっても、見た目だけでは判断できないものなのです。
どこかでダメと言われても、あきらめてしまう必要はありません。
古いしみでもとれますか?
和服・洋服を問わず、その衣料品がどのように企画し製造されたものなのか?
何が付着して、今はどうなっているのか?

様々な条件により、それぞれ衣料品一点、一点についての工夫が作業には必要です。
もちろん、豊富な経験・知識も要求されます。
しかし、しみには原因、素性のはっきりしたものは少なく、テストを繰り返しながらの作業になります。

だからこそ、見た目、しみの古さなどで簡単に判断はできません。
しみが新しいから大丈夫、古いからダメなどとは言えないのが結論です。
しみぬきの料金はいくら位かかりますか?
しみぬきの料金は、原則として技術料と手間代になります。

ただし、お召しになれるよう復元できて初めて決まります。
充分取りきれなくて、お召しになれないとこちらで判断した場合や、テストの結果、しみぬきができなかった場合などは料金をいただきません。

あらかじめご予算がある場合などは、ご来店の折にご遠慮なくお知らせください。
保管する前には無かったはずのしみが出てくることがあるのはなぜですか?
コーヒーや口紅のように、しみそのものに色がついていれば、見落とすことはあまりありません。
しかし、お茶やお酒、汗などのように、乾いてしまうと見えにくくなるしみもあります。
生地の織り、柄などにまぎれてしまうのです。

しみの揮発する成分、たとえば水分は無くなっても、残留した成分はそのまま生地の上に残ります。
それが空気中の酸素と反応して、あるいは染料の組成を壊してしまうことなどにより変色し、しみとして発現してくるのです。
着用中に何かこぼしてしまったり、汚したりして、それがたとえ見えなくなっていたとしても安心はできません。
むしろ、見えなくなったしみが怖いのです。

昔から衣替えには虫干し・風通しと言われていますが、虫・カビを防ぐだけではなく、お気づきでなかったしみを見つけるための検品も、大きな目的の一つなのです。
お召し物をお仕舞いになる時には、お品物の状態に応じたお手入れを必ずされることもおすすめします。
袷の着物の白い裏地に、黄色い斑点が出てきましたが何でしょうか?
カビによる黄変と思われます。
一般的に、衣料品の生地には艶、張り、風合いを出すために、糊などの加工剤がひかれています。
その加工剤の種類や量にもよりますが、空気中の水分を取り込むと、なかなか離しません。
絹の裏地に含まれる糊料も同じで、必要な水分と栄養源になり、カビの繁殖を増長することになります。

カビは自身が生きてゆくために、生地から栄養を取ります。
その時に出す酵素や酸で黄色く変色させ、生地を弱らせるのです。
カビも生き物である以上、条件さえ整えばドンドン増えていきます。

黄色いカビのしみが出るのは、保管の条件が着物にとって非常に悪いというサインです。
お召し物の素材、染色、その他の条件にもよりますが、順番があるだけで、そのままにすれば、すべての着物がカビだらけになってしまいます。
虫干し・風通しをこまめにされることをおすすめします。お困りのさいはご相談ください。
しみを拭いたところ、白くなってしまいました。直りますか?
繊維は、一般的に親水性、親油性どちらかの性質を強く持っています。
ポリエステルのような合成繊維は、油となじみやすく親油性が高いのです。
絹、綿、麻などの天然繊維は、親水性が高く、水分をよく取り込みます。

しかし、水分を取り込むと、親水性の高い繊維は膨潤(ぼうじゅん=水分を含んで、膨れること)してしまい、その状態で擦ったり叩いたりされると、表面がささくれ、細かい毛羽立ちができてしまいます。

濡れた状態では、光の屈折率のせいで分かりませんが、乾いてくると白く見えます。
濃色の生地、朱子、綸子など、光沢のある生地ほどよく目立ちます。
白い物がついたり、染色が取れたように見えますが、実際は繊維表面が傷つき、光が乱反射することで白く見えるのです。
例えると、透明なガラスの表面に細かい凹凸ができて、部分的にすりガラスのようになっているのです。
このような状態をスレと呼んでいます。
一般的に、スレの部分に染料をはき合わせしたり、繊維の毛羽立ちを押さえ込んだりすることで、お召しになることのできる状態まで戻すことはできます。

汚れたり、しみを見つけても、水、お湯を使って拭いたり、叩いたり、擦ったりしてはいけません。
乾いたティッシュなどで軽く押さえるだけにしてください。応急手当のつもりが、かえって大変なことになる場合があります。
あわてないで、職人の技におまかせあれ。
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